Q どんな研究をしていらっしゃいますか?

 液体の発光材料とマイクロ流路を組み合わせて、フレキシブルで新しい発光デバイスの開発をしています。マイクロ流路というのは、髪の毛程の細さの物質の通り道のことです。そこに液体状の発光材料を流すことで色を表現します。髪の毛程の細さですから、とても細やかな表現が出来るので、将来的には超高精細なディスプレイが作れればと思っています。

 また、そのような液体発光材料を励起光源として、特定の検出したいタンパク質、DNAに結合した蛍光物質を励起・発光させて検出したい成分の分布や濃度を調べることもできると考えています。これを応用できれば将来はより簡易な生体検査などに応用できるのではないかと思っています。

 

思い通りの結果がでないのも、研究の醍醐味

Q 研究の大変なところは?

 想定した結果と違うデータが出てきてしまうと、やはりがっかりします。違うデータが出るというのには理由が2つ考えられて、一つは単純に計算のミスや、装置に問題が合った場合。もう一つは予測自体に誤りがあった場合です。前者の場合には間違いを正せば良いのですが、後者の場合には、なぜ思った結果が出なかったのか、理由を見つける必要があります。これは根本的に考え直さなくては行けないというころなので大変ですが、研究の醍醐味というか、良い意味で裏切られるのも面白いですね。

 また、庄子研究室は、デバイスを制作するためのアイデアの部分に特化していて、材料の専門集団ではないので、自分で勉強しなければけないので、少し大変ですね。

 

国際学会は、とても良い刺激に

Q 国際学会にも参加されたそうですね。

 学部4年の1月に参加させて頂きました。たくさんの人の前で発表をして、けっこう突っ込まれたりもしたので、その時はものすごく疲れました(笑)。でも、第一線のひとたちと英語でコミュニケーションをとって、すごく良い刺激になりました。

 

Q 英語は得意ですか?

 得意ではないですが昔から好きで、AFN(American Forces Network-米軍放送網 旧FEN)は欠かさず聞いています。AFNを聞くことを勉強と言っていいのであれば、毎日欠かさず勉強をしていることになりますね(笑)。でも、AFNで英語を聞くことに慣れていたので、国際学会のときも英語を聞くことに抵抗がなかったので、そういう面では役立っていると思います。内容に関しては何度も「pardon?」と繰り返しながらの理解でしたが(笑)。

 

世界平和に貢献できる人材に

Q 将来はどのようになっていきたいですか?

 日本にだけにとどまらない、グローバルな人材になりたいと思っています。せっかく研究をがんばってきたので、今までやってきたことを活かしたいという思いはありますが、もっと大きな視点でいうと世界平和に貢献したいです。

 世界には戦争、貧困を始めとする大きな問題がありますが、もっとお互いが話し合い、理解しあえれば、解決できるのではないかと思うのです。スケールは違いますが、研究室でもインドやパキスタン、中国という緊張関係にある国の留学生と接してきましたが、話し合えば分かり合える、仲良くなれるというのを見てきたので、そういった経験が活かせればと思っています。