Q どんな研究をしていらっしゃいますか?

 私たちの研究室では細胞と材料の相互作用の研究に力をいれています。その中でも、再生医療に使用される生体材料と幹細胞の相互作用を研究しています。特に生体材料が幹細胞の心筋への分化効率に与える影響に関して研究していて、生体材料の硬さやナノ構造を最適化し、より生体内に近い環境を構築することが幹細胞の分化には重要だと考えています。

 

Q 研究の大変なところは?

 細胞は生き物なので、細胞に合わせて研究のスケジュールを立てる必要があります。特に、私は幹細胞などのデリケートな細胞を使っているので、時には非常に時間がかかったり、細胞の状態に結果が左右されたりします。しかし、心筋細胞の分化が進み、シャーレー内で細胞が鼓動するのを見ると、生物の素晴らしさに感動することもあります。この分野は化学・生物・物理学の融合分野です。私は元々、生物学が専門でしたが、この研究を初めて化学や物理学の勉強をしたり、先生方からいろいろ教えてもらっています。それも大変なことですが、日々勉強になります。

 

Q 早稲田-NIMS連携大学院の特徴は?

 (独)物質・材料研究機構(NIMS)は世界でもトップクラスの材料研究所です。そこで、私は生物学と材料学の融合研究をしています。NIMSでは最先端の材料を利用することができて私の研究には大きなメリットになっています。早稲田-NIMS連携大学院ではこのような最先端の設備と材料を学生も利用することができて、研究の推進や勉強に大きな助けになっています。

 

研究職は自由度が高く、創造性を発揮できる

Q つくばでの生活はどうですか?

 つくばは国際的な街で外国人にも非常に住みやすい街です。外国人同士のつながりが強く、日本人もフレンドリーなので、毎日楽しく過ごせます。私はイタリア人と日本人のハーフです。つくばでは海外と日本の文化の両方を楽しめるので、私にはとても住みやすい街です。つくばは静かな街でふだんは研究に集中していますが、都内にも近いのでたまには友人と気分転換のために都会にも出かけたりもしています。

 

Q 将来の夢は

 研究職の良いところは世界中どこの研究者とも議論や交流が出来ることだと思っています。他の職業に比べ創造性や自由度が高いので、いつも自分を高めることができる職業だと思っています。将来は、世界中の研究者と交流して、自分を高めながら最先端の研究を楽しんでいきたいと思っています。